アブレーションEPS

PSVTのアブレーション③|EPS検査編

AV Nodeかkent束か

まずはAVNRT、AVRT、ATがどのような病態だったかを振り返ります。

AVNRTはAN Nodeが2本以上あることで起きるリエントリー頻拍です。

AVRTはKent束を使用するリエントリー頻拍です。

ATは心房の異常な興奮が心室に伝わって起きる頻拍です。

注目してほしいのは房室伝導と室房伝導(逆伝導)の通り道です。

どちらもAV Nodeによる伝導であればAVNRTかAT、どちらかがKent束を使用していればAVRTである可能性が高いです。

AV Nodeには減衰伝導特性があり、Kentには減衰伝導特性がありません。

EPSでは減衰伝導特性があるかどうかが重要になります。

減衰伝導特性|PSVTアブレーションに必要な知識②前回に引き続き、PSVTのアブレーションに必要な知識の2つ目、減衰伝導特性について解説します。 房室結節には、減衰伝導特性がありま...

心電図から予測する(ShortRP’とLongRP’)

PSVTは心電図だけではAVNRTかAVRTかATかは判別できませんが、ある程度の分類わけはできます。

頻脈中のP波を確認します。

R波からP波までが短い(RP’<P’R)ものをShortRP’型頻拍と呼び、通常型AVNRT(Typical AVNRT)、AVRTが分類されます。

R波からP波までが長い(RP’>P’R)ものをLongRP’型頻拍と呼び、非通常型AVNRT(Atypical AVNRT)、AT、PJRTが分類されます。

EPS検査

PSVTのEPS検査では、HRA、CS、His、RVに電極カテーテルを置き、ペーシングを行い検査します。

HRAは右房、CSは左房と左室、Hisは心房中隔とHis束、RVは右室の電位を反映します。

A-Burst

A-Busrtでは房室伝導の1:1、WB、2:1伝導を確認します。

WB(Wenckebach Block)は減衰伝導特性によるものなので、WBがあればAV Node、なければKent束による伝導だと判断できます。

A-Extra

A-Extraでは房室伝導の減衰伝導特性とJump up現象を確認します。

AV Nodeによる伝導であれば、期外刺激の間隔が短くなるにつれて、A-H間隔が延長していく減衰伝導が確認できます。

またA-H間隔が50ms以上延長した場合は減衰伝導ではなく別のAV Node(Slow Pathway)に移ったと考えられます。

これをJump up現象と呼び、AV Nodeが二本以上存在する証明になります。

V-Burst

V-Busrtでは房室伝導の1:1、WB、2:1伝導を確認します。

WBがあればAV Node、なければKent束による伝導だと判断できます。

Kent束は逆行性伝導しかないものもあるので、A-BurstとV-Burstで両方から確認する必要があります。

V-Extra

V-Extraでは室房伝導(逆伝導)の減衰伝導特性とEAASを確認します。

AV Nodeによる伝導であれば、期外刺激の間隔が短くなるにつれて、V-A間隔が延長していくのが確認できます。

またEAAS(心房最早期興奮部位)を確認します。

EAASとは房室伝導時に、心房が最も早く興奮する場所のことです。

EAASの場所で、伝導路を推測することができます。

EAAS 伝導路
His AV Node(Fast Pathway)、中隔Kent束
CSos AV Node(Slow Pathway)
CSmid~dis 左側Kent束
HRA 右側Kent束

VScan

VscanではReset現象を確認します。

頻脈中にHisが興奮している=AV Nodeが不応期のタイミングでRVペーシングを行うと、ペーシングの刺激はAV Nodeを通ることができないので心房に影響することはありません。

しかしKent束があるとそこから心房に刺激が伝わり、心房の興奮がRVペーシングにつられて早くなります。

これをReset現象と呼び、Kent束があることの証明になります。

  • AV NodeかKent束か→減衰伝導特性を確認する
  • A-BusrtはWBを確認
  • A-Extraは減衰伝導、Jump up現象を確認
  • V-BurstはWBを確認
  • V-Extraは減衰伝導、EAASを確認
  • VscanはReset現象の確認